築40年の原発を再稼働ですか? 利権は理性より強し ですね!  ( 政党、団体 )

東海第2:「適合」案提示 規制委、被災原発で初

2018/07/04 10:37

 原子力規制委員会は4日の定例会で、日本原子力発電東海第2原発茨城県東海村、110万キロワット)について、再稼働に向けた安全対策の基本方針を定めた新規制基準に適合しているとする審査書案を提示し、議論を始めた。審査書案は安全審査の事実上の「合格証」。了承されれば、2011年の東日本大震災で被災した原発としては初の合格となる。

© 毎日新聞 日本原子力発電の東海第2原発。左端は廃炉作業中の東海原発=本社ヘリから丸山博撮影

 東京電力福島第1原発の事故後、原発の運転期間は原則40年と定められ、規制委が認めれば1度だけ最長20年間延長できる。このため、1978年運転開始の東海第2は運転開始40年の前日の11月27日までに、今回の新規制基準適合に加えて運転延長、設備の工事計画の二つの審査をクリアする必要がある。

 原電は14年5月に東海第2原発の安全審査を規制委に申請した。設計上で想定した最大の地震の揺れ(基準地震動)を1009(ガルは加速度の単位)、津波の高さを17・1メートルとして安全対策を強化。高さ20メートル、全長約1・7キロの防潮堤を建設して津波の浸入を防ぐとした。

 また原子炉格納容器の容積が小さく、事故時に事態が悪化しやすい「沸騰水型」である特徴を踏まえ、炉心を冷やす予備の冷却装置を追加で備えるとした。

 安全対策費として1740億円が必要としているが、原発専業の原電は自前で調達できず、規制委は資金確保を合格の前提条件とする異例の対応をとった。原電は東京電力東北電力から支援を受ける方針を示した。

 原電は安全対策工事を21年3月までに終える予定で、再稼働はそれ以降になる。また原電は再稼働について、立地自治体以外の周辺5市にも「実質的な事前了解権」を認める全国初の安全協定を結んでおり、その手続きが焦点となる。【鈴木理之】

 【ことば】東海第2原発

 電力大手9社と電源開発の共同出資による日本原子力発電が1978年に運転を開始。国内で初となる出力100万キロワットを超える大型の沸騰水型原発で、東電と東北電力に送電してきた。東日本大震災で運転を緊急停止し、外部電源を一時失い、最大5.4メートルの津波にも襲われた。同じ敷地内の東海原発廃炉作業中だ。