アンビリーバブルいい話
カナダで先日、交通遺児に残された亡き父の旧車がオークションにかけられ、その劇的な展開が感動を呼んでいる。
カナダのグローバルニュース9月10日付電子版などによると、アルバータ州レッドディアに住むブレントケリールークさんと妻のニコルさんは今年5月、オートバイで2人乗りをしていた時、トラックに衝突して亡くなった。
残された娘アリエルちゃん6と、息子リーアム君3は、父方の祖父母ベンさんとマリリンさんに引き取られた。
アリエルちゃんとリーアム君には聴覚障害があり、今後、医療費がかさむのは確実だった。祖父母は事故後、ソーシャルファンディングで寄付を求めたが、とても医療費を賄えそうもなかった。
そこでベンさんは、ブレントさんが残した旧車1973年型のポンティアックパリジェンヌを競売にかけることに。ブレントさんが手塩にかけて整備し、大切にしていた車だが、他に選択肢はなかった。
競売は9月8日、地元のエレクトリックガレージオークションズで行われた。
競売の進行役は、オークション前に祖父母と孫2人を紹介し、車が出品された事情を説明。遺児のためにできるだけ高額で落札してほしいと呼びかけた。
その結果、2万9000ドル約323万円で落札。ところが、落札者はこの車は寄付する。もう一度、オークションにかけてほしいと競売に差し戻した。
大喝采の中、競売が再開され、今度は3万ドル約334万円で落札。この落札者も車を寄付すると差し戻した。
そして3度目、入札額を伝える競売人の声が感動で涙声に。結局、車は2万ドル約222万円で落札されたが、最後の落札者は、車自体を息子さんの形見として取っておいてほしいと、ベンさんにプレゼントした。
のフェイスブックに掲載された、このオークションの動画は急拡散。9月13日までに2万4000回以上再生されている。
共同オーナーのリンゼーペインさんはグローバルニュースの取材にこう語った。
アルバータ州中部の人びとが、あの家族に示した示した寛大さと支援にみんな感動しちゃってね。信じられなかったよ。みんな歓声を上げていた。私も泣いた。競売人のロッドも感極まって涙声になり、競売を進行するのに四苦八苦していた。現実のこととは思えなかった。こんなことは人生で初めてだったよ
車をベンさんにプレゼントしたボブベビンズさんは車はあの家族にとって精神的な価値がある。それは私がもう1台、クラシックカーを持つことよりも大きいと思ったんだ。いつの日か、息子が大きくなって親父の車を運転する日も来るだろうと説明した。
結局、ケリールーク一家に集まった寄付は、の分も合わせて計10万ドル約1110万円以上に。
信じられないような劇的な展開に、ベンさんは実質的に競売は中止になりました。あまりの出来事に、ただただ心を打たれましたと語った。