初盆参り

平成30年8月13日(月)

 午前2時に目が覚めました。起き出して本を手に取りました。読み進めて勃然、伯母の死に思いが至り、夜の静寂は来し方行く末の巡るを助長します。ちょっと感傷的になりました。そう思った矢先、バラバラ、勝手口の外、ビニールの波板トタンを大粒の雨が叩き始めました。考えるのはもういいや。そう独りごちて二度寝。夢を見ました。死んだ私を見る私がいました。寝汗をかかず、悪いものを見たの感もありませんでした。盆だからでしょうか。

 午前4時起床。今度はさっぱり。憑きものの落ちたような感じを覚えました。丑三つ時、迷いの末、猶金瓶梅を読む杣夫です。写真は午前7時を過ぎて起き出してきた妻が手による漬物。毎度の写真ですが、これが美味しいんです。

 今日から3日間、ポカ休です。お盆は仏さんが生前暮らした家に帰ります。新盆を向かえた家を訪ね、線香を手向けました。近所のJがKやん宅。交通事故死。夜半、近くの交差点を脱輪、胸を打って亡くなりました。ポチの飼い主でした。70を過ぎていましたが、もう少し生きて余生を楽しめばよかった。娘さん二人が里帰り。お茶を出してくれました。座卓を挟んで私なりのKやんが思い出を話しました。一番の思い出は次の通りですが、それは彼女たちに話すこと能わずでした。もう30年ほど前のことです。中野河内生産森林組合の出会い(組合員総出で山の間伐、下刈りを行う行事)がありました。午後4時頃に終え、山の取付広場で車座になって酒盛りになりました。缶ビールと三楽の200mlが用意されました。Kやん曰く「Hちゃん(私のこと)よい、ビールなんか飲んでも屁も利かんのじゃーがよい。こん三楽ぅ蓋を開けてからの、ごくごくごく〜っちやって、いっぺんぃまっくりがえすんじゃーが。ほいたらの、脳天ぅ三楽が突き上げよるわい。頭ぃカーッちくるんよ。それがほんとん飲み方よ。ほら、これでや

ってみ〜」

そうしました。確かに、でした。

 次は自裁した弊社社員K君宅。何故なのか、未だ理由に思い当たりません。仕事ができ、笑顔が皆に愛されました。座敷に上がり、位牌に手を合わせました。瞑目中、ずっと小ぶりの黒い蜂が1匹、私に纏わり付きました。座を改めると、彼の母親が麦茶を出してくれました。横に座った父親に廻向の礼を言われました。言葉もありませんと言うと、二人の目は真っ赤。枯れたであろう二人の涙腺から再びでした。癒えぬ悲しみとはこのことです。いたたまれませんでした。目の前の両親は私の父母が仲人だったはず。それをして母親が話をそらすよう、接ぎ穂を求めるよう、私の両親が近況を訊いてくれました。紛れたら立ち寄って下さい、そういうのが精一杯でした。良?曰く「親死ね、子死ね、孫が死ね」。順番を違えるのと不幸も極まれりとなります。彼の家を出て、強い陽射しを感じました。蝉時雨。汗が噴き出ました。 続いて同僚宅を2軒。こちらは両方とも老父老母を孝行、見送っての初盆。その一軒を以下に。キンノジ宅。彼の母親は八十路の往生。肺癌を患いました。本人の意思で治療不要、緩和ケアを選択。作春だったか、彼の家を訪ねた折り、言われなけ\xA4

譴个修Δ筏い鼎ǂ霧亀い気任靴拭◀修譴\xAC1年余りでこうして同じ所を訊ねて位牌に向かうとは。去る者は日々に疎し。移ろいの速さを感じながら線香に火を点けました。茶を出してくれたキンノジの顔に思うところあるも見送った満足感を見て取りました。

 彼のみ登場させては、何がいけないのか判りませんがいけません。私の図も、です。黒ずくめにズボンの腿がベタベタ。脇を締めること能わずのYシャツ姿です。

 午前中に終わりました。終えていつものスーパーへ寄りました。盆ですが杣夫は刺身を欠かせません。小鯵の7尾入ったパックを買いました。250円。いつもより少し高めの値段。家に戻っての昼ご飯はUFO焼きそば。これ、久しぶりでした。美味しい。妻は高校恩師のご主人が初盆。お参りに出かけたままでした。一人食べ終えて映画を1本見ました。続いて読書。それが眠り薬になりました。板敷きにごろり。余談です。拙宅、畳は一間だけです。後は全部板間。目の覚めて午後5時過ぎ。さてと、走るか。いや待てよ。今日は自転車の練習をしよう。ヘルメットをかぶりました。出発。以下はカメバイ(カメラを持ってのバイク、私が勝手に付けました)です。おっ、先日のクワガタ少年たちです。今日は自転車に乗ってぶらぶら。夏休みを持て余していました。

「よぉ、Tのおいちゃんだよ。(サングラスを外し)こっちぃ来いの。こん自転車を見せてかすわい。よかろーが。お前どもんがんたれ自転車とちがうど。ちゃちゅーはねぇど。はよ見てみぃ。」

ガキンチョ異口同音

「おいさん、すげーのぅ。なんぼしたんな、このチャリンコ?」

「馬鹿たれが。こん自転車はチャリンコなんち言わんのじゃー。ロードレーサーっち言え。判ったか。おいちゃんの子どもがの、新品を買うたきぃ、お古を送ってきたんじゃーが。よかろーが。えっ!」 彼らに自慢話。別れて畑野浦峠へ向かいました。トンネルまでの登りエクササイズに太ももがパンパンとなりました。写真は畑野浦トンネルです。向こうは海です。蒲江、特に入津湾に暮らす人たちはこのトンネルを抜けると、嗚呼帰ってきたと感じると聞いたことがあります。峠にはそれぞれ思い入れがあるのでしょう。覗いたらずっと向こうに豆粒のような出口がありました。

 下りは一気。桟敷の国道を飛ばしました。角道から小島、長陽会の施設を横目、熟れた稲の水田横を走りました。津志河内橋を折り返しました。そこの交差点で自転車が轢かれていました。警察が来て現場検証に行きあわせました。怪我人はなかったのでしょうか。気になるところです。写真はその橋上で写したキャノンデールです。近いうちにサイクルショップへオーバーホールをお願いしよう。

 もう一枚。そこで振り仰いだ空です。雨模様が去り、夏空が戻りました。

 水面に目を落とすとミズクラゲが沢山。汽水域なのですが、いつもの通り、やって来ていました。

 家に戻りました。シャワーを浴びようとして、ブルーベリーを収穫中の妻に声を掛けられました。

「あなた、お父さんに魚を頂いたわ。お願いね」

うっ、面倒だ。明日の朝、早起きをしての包丁だな。写真は茄子・ゴーヤとブルーベリー。

 下のスチロールを開けて見ました。おっ、真鯛と鰺だ。しめしめ。明日が楽しみです。

 汗を流してプシュッ。スーパードライも時には、です。いい味です。

 当てはロードレーサーに乗る前、チャチャッとやっつけた小鯵です。大葉の刻みがいい風味でした。勿論トラに裾分。

 前後します。汗かきに出発する前、妻が始めた今夜の料理です。

丸い緑は青茄子です。親方にもらいました。

 輪切りにして味噌を塗り、チーズを載せました。これをオーブンで焼いたのです。できあがりはこんなです。少しの辛めとチーズのまろやかが口に広がりました。

 盆です。刺身ばかりを食べてはいけません。これが出てきました。精進の一つ、厚揚げです。いい味付けになっていました。焼酎ロックによく合います。

 うっ、嫌な匂いだな。漂ってくる方を覗きました。案の定でした。

 もうそれはいいよ。明日食べるから取っておいて。逃げの手を打ちました。

またもや茄子です。もずくに和えていました。

 ご飯を終えて始末に負えないゴーヤです。妻が何とかしよう、に取りかかりました。

 半分に割り、刻みました。水洗いの図。いい緑です。

 水を切るのには朝日新聞が一番いいようです(嘘です。各紙とも一緒です)。

 仕上げは氷砂糖と一緒、梅干しを所々に散らし、酢をかけました。幾日経つと食べられるようになるんだろうな。楽しみです。

今日の類語

「始末」

 処理、処分、整理、処置、措置、対処、善処、対応、融通、計らい、取り扱い、取り捌く、取り合う

 言葉中、善処には「なるたけ」の意が含まれているような。

今日の一句

峠越え故郷の海に盆帰り

今日のラン

ロードレーサー25km 坂登り1本

今日の酒

Asahiスーパドライ1缶 冷酒5勺 焼酎賞味1合

今日の写真はコンバインです。OのTさんが国道を圃場に移送の図。今週で木立の早期米刈り取りは終わりそう。夏が往きます。

 もう一枚はガラスに勝手口の張り付く守宮です。小ささが可愛さを醸していました。